21人が本棚に入れています
本棚に追加
「破魔の錆――いかなる魔力も錆とかす毒だ。拷問するつもりはない、今楽にしてやるよ。」
化物は笑った。
「シャロンの騎士…まさかこれほどのものとはな…」
少年はその言葉に耳もかさず、何かを唱えだした。少年の体が黒く光る。
「滅!」
少年が手を振り上げた瞬間に、小さかったナイフが藍色に光る槍のように変わり、見上げるほどに大きくなり空に向かって突き上がる。。
化物は即死だった。
ナイフは光となって消え、化物も死体が砂に変わっていく。
少年はその場に残ったガイウスの槍を持ち、その場をはなれようとした。
その瞬間に町の人々が教会の扉をたたく音が聞こえてきた。
「おっと、かんぬきはずすの忘れてたわ…もう安全だろ。」
少年は出口にはしり、かんぬきを外そうとした。
「いやいや、すいません。かんぬきをはずすの忘れてましたわ。」
ドアの向こうにいる住民に話しかける口調は、さっきとはうって変わってひょうきんだ。
「スゴい音と恐ろしい悲鳴が聞こえたが…なにかあったのか?」
住民は町の保安官のようだ。
戦いの音をきいてとんできたらしい。
最初のコメントを投稿しよう!