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学園へ戻り自分の教室の廊下に行くと、教室から女子生徒の声が聞こえてくる。
声からして三人かしら……。
「アンタも早く行方不明になればいいのに」
「実はコイツが犯人なんじゃない?」
「違います……!」
一人は聞いた事がある声……。
確か、クラスメイトで秋穂っていう子ね。
赤縁眼鏡をかけ、髪は背中の真ん中あたりまで伸ばしていて。
両側の髪は三つ編みにして後ろに回し、両方を合わせて先っぽで縛った髪型。
私も彼女と同じような髪の長さだけど、縛らずにウェーブを掛けている。
とにかく彼女が虐められてるようだから止めに入らないと……。
私は教室の扉を開け、自分の机に向かいながら彼女を虐めている女子生徒に話しかける。
「貴女達、まだ帰ってなかったの?」
二人の姿は両方金髪で、頭の天辺あたりが少し黒くなっている。
何故そんな色なのかは、私達の人種はエジア系で元々は黒髪だから。
二人は染めて金髪だけど、私と秋穂は黒髪。
染めると毛が痛むから絶対やりたくないわね。
「別に少しぐらいいいだろ?」
「邪魔しないでくれる?」
二人は私に突っかかって来たが、彼女達の顔を見ずに自分の携帯を手に取り鞄に入れる。
「無視かよ」
「用が済んだら早く出てって」
用事は携帯を取りに来る事だったけど一つ増えた。
「ええ、直ぐに出て行くわ秋穂と一緒にね」
私は彼女等に笑顔で答える。
「は?コイツは私達と話をしてんの」
一方的に適当な事言って、困らせてるだけが話?
「ふ~ん……私にはただ秋穂を虐めてるように見えるけど?」
図星なのか黙り込んだわ。
「ゴチャゴチャとうるせーな!早く出て行かないと痛い目に会わすぞ!」
金髪の一人がそう言うと突然教室の真ん中に、黒い球体が現れ窓と扉が勝手に閉ざされた。
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