Side・尋樹

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『尋樹は生徒会長でしょ!?ネクタイぐらい締めて来い!!』 副会長でダチの安藤 冴(アンドウ サエ)に言われて、俺は寮までネクタイを取りに来た。 今日は入学式。 普通の生徒は休みだが、俺は生徒会長だから出席しなきゃいけねー。 あ゙ー、マジでだりぃ。 入学式に出席すんのもだりぃけど、制服をちゃんと着なきゃいけねーのが1番だりぃ。 ここの学園の制服変わってるし。 スーツっぽい黒の上下にカッターは白、ネクタイは赤。 マジでセンス疑うわ。 まぁ、ネクタイ取ってカッターはだけさせたら、ホストっぽくなるからいいけど。 そんな事を考えながら寮を出た。 「あ?」 寮を出てすぐ。 見知らぬ男が回りをキョロキョロしてた。 不審者か? 「おい、何してんだ?」 俺は少しドスをきかせてソイツに言った。 「え....」 男にしては少し高い、澄んだ声。 その声と共に振り返ったソイツは....すっげー綺麗だった。 髪はすっげー柔らかそうなハニーブラウンだし、睫毛長ぇし、目でけぇし、鼻筋は通ってるし、口唇はピンクだし、肌も白くて....。 俺自身かなりかっこいいから、目は肥えてる。 ダチからもかなりの面食いだって言われてる。 その俺が真っ赤になるぐらいだから、コイツは相当綺麗だ。 手にパンフレット持ってるから新入生か....? 尋ねると、やはり新入生らしい。 しかも迷子....(笑) ん? 待て待て。 迷子? なんで迷子? この学園はいわゆる金持ち学校だ。 だから、敷地が広い。 校門から校舎まで車で5分かかんだぞ? 見たところ、コイツ....歩きっぽいけど....まさかな。
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