Side・尋樹

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「俺は2年の春日井尋樹だ。よろしくな、歩幸」 そう言って頭を撫でたら、歩幸は顔を真っ赤にした。 そして、何故か泣きそうな、嬉しそうな顔をした。 俺はその表情の意味が分からなくて、でも、何故か胸が痛くなって、迎えの車が来るまでずっと歩幸の頭を撫で続けた。 まぁ、すぐに来たけどな....車。 空気読めよ。 車の中ではこの学園の事を色々教えてやった。 ここの学校名を聞かれた時は流石に呆れた。 その顔に気付いた歩幸は焦って理由を話してた。 「ばーちゃんに無理矢理ここを受けさせられたから....俺絶対落ちると思ったし....」 いくら無理矢理でも学校名は把握しとけよ....。 つか、なんでばーちゃんなんだ? 今度聞くか。 「つーか、このパンフレット嘘つきだ!!校門から校舎まで5分って書いてあったのに!!」 突然歩幸がキレた。 どうやらパンフレットにキレてたみたいだ。 つか、嘘なんか書いてねーだろ。 「嘘なんか書いてねーよ」 俺がそう言うと歩幸はまた上目遣いで睨んできた。 だから、それ止めろって....。 「だって俺5分で着かなかった。しかも、迷ったし....」 少し顔を赤らめて歩幸が言った。 可愛い....マジで襲うぞ、お前....。 つか、歩幸はやっぱり天然だな。 色んな意味で。 「マジで5分だよ、車でな。く・る・ま・でな」 車を強調してやると歩幸は気付いたようで....。 「あ....」 と言って、顔をこれでもかってくらい真っ赤にした。 だーから!! いちいち可愛いんだよ、お前は!!
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