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俺が困惑していると、その子はポンっと手を打って、手を差し出してきた。
「初めまして!僕は神崎 幸司(カンザキ コウジ)。正真正銘の男だよ!」
男!?
こんなに可愛いのに!?
「あ....佐々木、歩幸です」
戸惑いながら神崎くんの手を握る。
と、同時に、体が神崎くんの元に引っ張られる。
「うわっ」
な、なんだ!?
気付けば俺は神崎くんの腕の中。
「ふーちゃん、可愛い!!」
ふーちゃん!?
俺のこと!?
可愛いって....可愛いのは貴方ですが!?
「ん~、抱きごこちも最高....」
神崎くんはうっとりと呟いた。
抱きごこちって....俺は枕じゃないって....。
「こら、幸。佐々木が困ってるだろ?」
神崎くんの後ろから、妙に耳に馴染む声がした。
「だってぇ。可愛いかったんだもん!あ、すーくんってばヤキモチ!?」
「バカ言ってないで放してやれ。ごめんな、佐々木」
神崎くんの腕が離れた。
顔をあげると、眼鏡をかけた美形さんがいた。
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