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「お前、もしかして....歩いてきたのか?」
「?当たり前じゃないですかっ」
金髪さんは驚いたみたいで、口をパクパクしてた。
え、何、その反応....。
歩いてきちゃダメなのか....?
「普通車じゃね?」
車?
なんで車?
「え、普通歩くでしょ?」
俺がそう答えると、金髪さんは目を細めて何かを考えたようだった。
「お前....佐々木歩幸か?」
びっくりした。
見ず知らずの人なのに、なんで俺の名前知ってんの?
「あぁ....俺、生徒会長だから特待生の資料見たんだよ。ついでに世話も頼まれてる」
金髪さんがニヤリと笑って俺に言った。
え、俺、口に出した?
つか、コイツ生徒会長!?
しかも、世話頼まれたって....。
「お前、顔に全部出てる」
俺は反射的に手で顔を隠した。
は....恥ずかしい....。
「お前、綺麗だし面白いし....最高」
金髪さんが感心したように呟く。
面白いって....褒め言葉か?
指の隙間からチラッと金髪さんを見れば、何やらケータイで電話をしてるみたいだ。
なんか....道に迷うわ、初対面の人に面白い発言されるわ....最悪だ....。
「ん?」
なんで道に迷ったんだっけ....?
「あー!!入学式!!」
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