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皆はウィクネの悪いところばかりを見ているだけだ。スレイスが魔王を倒すなんて言ったけど魔王を倒すのはウィクネだし、私と結婚するものきっとウィクネだ。
もしかしたら私より良い女が現れるかもしれない、ウィクネ程の男だから、それも仕方ない。それでもきっと私はウィクネを愛し続けると確信出来る。
ティアラは改めてウィクネに対する気持ちを認識して、再びウィクネを説得しようと決めた。
不意に気付くと既に村の外だった。
しまった。また深く自分の世界に入ってしまった。早く村に戻らなきゃ。
「ティアラ、こうは思わないかい」
当たり前のように私の手を引いて歩いているスレイスが口を開く。
ティアラは、何? と聞き返しつつ腕を振り払う。
「ウィクネは拐われたティアラを追い、俺のところまで来てティアラを賭けて決闘を挑んで来るんだよ」
素晴らしい。ティアラは本気とそう思った。
「良いですね。実行する価値はあります」
ティアラはスレイスと旅を同行することを認めた。
スレイスは本気でティアラのことが好きだ。
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