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物心つく前からの仲であり、常に美しいオーラを放つティアラはいつも魅力的だった。そんな彼女が余りにも鈍感なウィクネのことを好いていることも村の中で唯一スレイスは知っていた。
そのため、ティアラに激しい妄想癖があることも知っている。今回はそれを上手く利用したのだ。
スレイスにはウィクネの良い所など全く分からないし、ウィクネに自分が負けているなどと到底信じられなかった。
きっとこの冒険を通してティアラはスレイスの魅力に気付き、ウィクネがいかに凡人以下なのか理解するだろうと確信していた。
ティアラはスレイスの思惑通りにしたものも、ウィクネが心配で心配で仕方なかった。
ウィクネと一緒に行きたかったのは、何も傍に居たかっただけではない。
ウィクネは確かに素晴らしい男性だが、どうしようもなくヘタレだ、矛盾しているが、これが現実だ。
私を追って旅立つまではいいとしよう。その後はどうだ? まず第一の目的地である教会にさえ辿り着くことが出来るかどうかさえも怪しい。
そこでティアラは自分の使い魔にウィクネの手助けをするように命じておいた。
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