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村の剣術大会で年下に負けるようウィクネだけどいざって時はやってくれるのよ。
そんな妄想で頭が一杯になったティアラは頬が緩むのを抑えることが出来なかった。
「そんな嬉しそうにしちゃって可愛いわね」
気が付けばティアラはスレイス母の前に立たされていた。ピンク色満開の笑顔を見られてしまい、完全に勘違いされてしまっている。
ティアラは慌てて訂正しようとするがまたしても大人の声で遮られてしまう。
「違っ」
「さあさあ、めでたい、二人の旅立ちだ」
ティアラ父は大声を上げて笑う。
「そうですね、記念に結婚式を挙げましょう」
スレイス母も嬉しそうに応じる。
け、結婚式!? 私の予想通りの展開だわ。
思わず、またしてもティアラの顔はピンク色満開の笑顔に変わって行く。
「あらあら、ティアラちゃんも賛成みたいね」
スレイス母はすっかり勘違いしている。
「悪いけど母さん、結婚式は魔王を倒してからって、決めてるんだ、俺」
スレイスは何故か誇らしそうに語った。
スレイス母はこれに感動し、ティアラは激怒した。
このフラグブレーカーめ。
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