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ティアラは自分の予定というか妄想が外れて心底がっかりした。それが良くなかった。
「まあまあ、あからさまに落ち込んじゃって可愛いわね」
とスレイス母。
「おいおい、そんに焦らなくても良いだろ。ゆっくり愛を育みなさい」
とティアラ父。
最後に
「俺の可愛い可愛いティアラ、悲しませてゴメンよ、でもすぐに魔王をやっつけて二人で幸せになろう」
とスレイス。
ティアラはもう呆れ果てて、悲しくて悲しくて仕方なかった。
こんな人の話しを聞かないよう連中なんかと一緒に居たくなんかない。
昔から皆そうだ。スレイス達は私の姿と天才的な才能ばかりを誉めて、スレイスの嫁にしようと押し付けてばかりだ。
他の村人は私の過ぎた力に怯え、他の女性はスレイスを盗っただのとひがんでくるばかり。
ウィクネだけは違うのだ、心から笑い掛けてくれる、私の笑みにも応えてくれる。私の我が儘も聞いてくれる。私の意味の分からない魔法倫理を黙って何時間を聞いてくれる。
彼だけが私の味方なのだ。それに彼の魅力はそれだけじゃない。それだけなら仲の良い友達止まりだ。
彼の魅力は言葉で表せれるものじゃない。
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