第一章 私の病気

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部屋を出た夫は、娘にこう言った。 「まだ希望はある。もう少し。もう少しだけ一緒にいさせておくれ。」 夏子は笑顔で頷いた。でもまだ夏子は苦しかった。母の病気を恐れていた。記憶が全部失われてしまったらと。 こうやって、私はすぐに忘れてしまいます。でも時々、ほんの一瞬だけ思い出す時があります。それは心の中に大切な物としてしまっているから、思い出せる。それを思い出した時の私の顔は、輝いて見えるだろう。
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