第2章 奇跡

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夫は自分の書斎で、妻と過ごした日々を綴ったアルバムを見ていた。夫はアルバムを見ながら思った。 (私は、妻が病気になる前は仕事人間だった。妻にも娘にも寂しい思いをさせていた。でも二人共しっかり私を支えてくれていた。愛してくれていた。だから今度は私が、二人を支えていこう) ある一つの写真に目が止まった。一本の桜の木ね下で、妻と二人で撮った写真。かなり古いけど、とても大切な思い出の写真。 「この思い出だけは、妻に思い出して欲しい。私が妻にプロポーズした時の写真。」
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