24人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
(娘が一番怖がっている事)
「私を忘れないで。ずっと覚えていて。」
夏子が自分のアルバムを見つめながら、つぶやいた。
「母が認知症になったと聞いた時、一番恐ろしいと思った事。それは、家族が分からなくなるという事。今まで何十年も一緒に暮らしてきたのに、それが消えてなくなるという事。私はそれが一番恐ろしい。」
夏子が一枚一枚アルバムをめくる。写真の一枚一枚に思い出がある。全て忘れてしまうの?一枚一枚眺めているうちに涙が出てきた。
最初のコメントを投稿しよう!