第2章 奇跡

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(娘が一番怖がっている事) 「私を忘れないで。ずっと覚えていて。」 夏子が自分のアルバムを見つめながら、つぶやいた。 「母が認知症になったと聞いた時、一番恐ろしいと思った事。それは、家族が分からなくなるという事。今まで何十年も一緒に暮らしてきたのに、それが消えてなくなるという事。私はそれが一番恐ろしい。」 夏子が一枚一枚アルバムをめくる。写真の一枚一枚に思い出がある。全て忘れてしまうの?一枚一枚眺めているうちに涙が出てきた。
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