第一章 私の病気

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私の隣にいる男は誰?そして、ここは何処? 朝の食卓の場でいつも思うこと。 私の食事を用意してくれている、あの娘さんは誰かしら? 私には分からない事だらけだった。知らない家で、知らない人達。笑って私を見ているけど、私は知らないわ。知らない娘さんが食事を進めてくるので、お腹もすいたしとりあえず食べて見ることにした。 食事が終わり、隣にいた男が私の手を引いて外へ連れ出した。急にてをつながれて『ドキドキ』した。男の目もとても優しい。初恋の人の高島さんみたい。あの人もこんな優しい目をしていたっけ。そんな事を思い出しているうちに、庭の鉢に植えてある、小さなサボテンの鉢に着いた。 男が話出した。 「ほら、君が五年前に買ったサボテン。今年やっと小さい花を咲かせたよ。君がちゃんと愛情を注いでいたからだよ。」 そう、これが私の日課。毎朝新聞を取りに行く時に「おはよう。今日もいい天気ね。」と声を掛け続けていた。
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