第三章 桜
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私の事も曖昧なのに。本当に大切な記憶は心で覚えている。娘が言っていた。本当だった。心で覚えている。だったら、あの時の事もきっと覚えている。大丈夫だ。それに妻は私が仕事人間だという事を、恨んではいない。そうでなければ、私と一緒に旅行に行きたいなんて言えない・・・。 もっとずっと二人は、寄り添い生きていける。
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