第五章:怖い(主人公 妻)

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「お父さん。」 突然後ろから声がした。妻の声だ。驚いて後ろを振り返ると妻が泣きながら、 「私をおいて先に逝かないで。待っているから必ず帰ってきてね。」 妻の顔は、あの桜の木の下で撮った写真と同じだった。笑顔で私を元気っけてくれた。 私は笑顔で妻に駆け寄り、抱きしめた。そのぬくもりを確かめるようにずっと抱いていた。 『愛してる』と沢山言いながら。
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