第一章 私の病気

4/13
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
「今日、どうして塾な行かなかったの?先生から電話があったのよ。」 夏子は何も言わない。 「今勉強しないと、将来いい人生を歩めないんだよ。」 あなたの事を思っての事なのに、そう思っているのに。どうしてなのっと問い詰めると、夏子は 「もう疲れたよ・・・、お母さんには私の気持ちなんか分かるわけ無いんだ!」そう言って私を追い出した。 家出したんだ。探さなきゃ。私は知らない人達に見つからない様に、そっと家を出た。 夫がいなくなった妻に気づいて慌てた。 「また始まった。徘徊が。娘を探して。娘はもう結婚しているのに。」 終わる事の無い病との戦い。でもまだ序章に過ぎない。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!