24人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
第七章:ラブレター
「じゃあ母さん行こうか。」
私は車椅子に乗り、隣にいる妻に声を掛ける。
「どなた様か分からないですけど、散歩は楽しいねぇ。」
私が分からないのは日常茶飯事。でも大丈夫だ。きっとまた奇跡はおこる。
今日は妻と花見でデート。もちろんプロポーズの桜まで。デートって言っても二人とも車椅子なので、娘と孫に車椅子を押してもらいながら行くのだが。
今日は本当に気持ちのいい天気だ。二人共体調はいい。桜の場所まで、妻と新婚の頃の写真を見た。一枚目は結婚式の時の写真。
最初のコメントを投稿しよう!