第七章:ラブレター

3/6

24人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
「覚えている?母さん。」 妻は写真を見つめ懐かしそうに言う。 「覚えているに決まっているじゃあない。一番大切な思い出だもの。」 妻はまだ覚えてくれていた。それだけで涙が出そうになる。まだ桜の場所についていないのに。 「今日はそこに行くのね。楽しみだわ。」 妻も涙を浮かべながら言った。 桜の場所へと着き、娘達と別れて二人きりになった。 「綺麗な桜ね。」 と妻が言った。 「ああ、とても綺麗だ。」 ここで私と妻は結ばれた。とても大切な場所だ。今年も妻に思い出して欲しい。私は妻の次の言葉に期待した。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加