24人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
「お父ちゃん。」
やっとその言葉が聞けるのか。
「何だい?」
私は不安と期待が入り混じった。妻がこのまま思い出さなかったらどうしようかと。とうとう私一人だけの思い出になってしまうのか。
「今日はお父ちゃんに手紙を持ってきたの。」
何を言っているんだ。もう字なんかかけるはずないのに。
妻は鞄から手紙を取り出した。
「読んで。」
妻は照れくさそうに手紙を差し出した。私は恐る恐る手紙を受け取った。
「これは!!。」
最近書いたものではない。紙は変色し所々破れかかっている。
「ずっと渡そうと思っていた。お父ちゃんへの気持ち…。」私への気持ち?私は手紙を読んだ。
最初のコメントを投稿しよう!