第9章:心の記憶

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「分かっているの?どうしたの?忘れちゃったの?」 女性が私の肩を揺すりながら怒鳴った。分からない、分からない、涙が出るのに何も分からない。お父ちゃんって誰?誰か…助けて…。全てを私に教えて…。寂しくて寂しくて泣き崩れる。涙は止まらない。寂しいのは何故?笑えないのは何故? その時誰かが泣いている私の頭を撫でた。 「誰!」 後ろを振り向くと、年老いた男性が立っていた。 「寂しい思いをさせてごめんね。ずっとそばないてあげれなくてごめんね。」 私はだんだんと、その男性の事を思い出してきた。ずっと長い間愛し続ける人。
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