452人が本棚に入れています
本棚に追加
小さな体は、俺を抱き締めるには面積が足りていない。
それでも懸命に俺を胸に収めようとする日和は、世辞抜きに可愛かった。
……すまん、冷静に状況を説明してるようなフリをしてきたが、どうやら限界だ。
ぶっちゃけ、凄く嬉しい。
朝から天国である。柔らかいし。
ニヤケが押さえ切れそうにない。
……今、俺の顔は某ハンサム超能力者に負けない程、緩みまくっているだろう。
「この前の時は、春もこんな気持ちだったのかな」
えへへ、と笑いながら、日和は俺の体に更にすり寄る。
……先日のお返しってのはそういうことか。
そういや最近じゃ、同じベッドで寝たのは二回目になるのか……。
まあ、あの時と違ってベッドに先に寝ていた方は、バッチリ目が覚めているのだが。
「あったかい……春」
子猫のように、すりすりと俺の胸あたりに頬ずりをする日和を、俺は抱き締めたくて仕方がなかった。
日和が本当に猫なら、ゴロゴロと喉を鳴らして、甘えた表情をしているだろうな。
……いかん、ネコミミに尻尾に首輪を付けた日和を想像してしまった。
変態か? 俺は……いや、変態か。うん。
と、順調に(?)頭が狂ってきた俺であるが、本能のままに動かないのはある理由があった。
そう、男のロマン……とは言い過ぎかもしれんが、男なら一度は夢見るシチュエーションの為だ。
最初のコメントを投稿しよう!