唯一の存在

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『マリー!!』 ドアが閉まった後に慌てて声をだしたけど、そんなの後の祭り。 二人の姿はもうなくて、痛みだけが胸に残っている。 罪悪感、焦燥感、嫌悪感……。 痛みが心の中をかきむしる。 思い出して、両手で顔を覆った。 傷つけたたくないから つけた傷を癒やしたいから そんな理由でマリーから離れた僕は、馬鹿で仕方ない。 マリーから逃げたせいで、マリーを失ってしまった。 そうだよ……。 失ってしまったんだ。 マリーはきっと、もう僕の下に帰ってきてくれない気がして、あの笑顔を見せてくれない気がして……。 マリーに会えない、触れれない、声を聞けない、傍にいれないと思うと、心が悲鳴をあげる。 悲しくて苦しくて……この感情はどうしたら吐き出せる? 暴れたら楽になれる? 本能に従えば 楽になれる?
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