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一人静かにアップルパイを頬張っていると、気配を感じた。
足音をたてないように慎重に忍び寄ってきてるみたいだけど、残念なことに足音たてまくり。
この間抜けで小さな気配はそう、
「悪魔めっ!!!!覚悟ーーーっ!!!!」
昨日の少女だった。
またもや昨日と同様不釣り合いな銃を僕に向けて構えている。
昨日僕の意地悪ですっかり怯えていたからもう来ないと思ってたんだけどな。
ドォン。
「わっ!!」
ガッ。
ちっちゃな爆発音とちっちゃな悲鳴。
放たれた弾丸は僕には当たらず、目の前を通り過ぎて屋敷の壁に当たった。
小さな穴が空いてしまった壁を呆と見ていると、恐怖に染まった悲鳴が耳に届く。
「ひっ……!!」
少女の方に目を向ければ発砲の衝撃で尻餅をついた状態。
そして少女の首にはナイフがあてられていた。
影のように少女の背後に身を寄せたドールによって。
無機質な漆黒の瞳は鋭く少女を睨み、震える少女にナイフをあてたまま静止する。
ドールは僕の身の危険を感じて少女に素早く近寄り、いつでも命を奪えるよう行動した。
そして僕の指示を待っている。
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