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「平和好きな悪魔なんて聞いたことないわ。やっぱり悪魔の言うことなんて信用できない!!」
ほら、ね?
この少女も信じてくれない。
分かってたこととはいえ、言葉にだされると堪えるね。
一人落ち込んでため息をついていたら、少女がビシッと指を僕に向かって指してきた。
「悪魔の言うことは信用できない!!だからこのマリー様がこの目でそれが本当かどうか確かめてあげるわ!!」
「……はい?」
予想外なことを言われてつい間抜けな声がでてしまった。
ポカンと口も開いてるに違いない。
そんな僕をよそに少女は立ち上がると青いワンピースについた土を払い落とし、僕を睨みつけると昨日同様全力で駆け出した。
「体洗って待ってなさいよ!!」
捨て台詞を残して。
走りながら後ろを振り返って言ったもんだから、前方にいたドールに気づかず思いっきりドールにぶつかった。
ドールを見上げるやいなや、声にならない悲鳴をあげてドールから逃げるように全速力で駆け出し、この場から去ってしまった。
結局何しに来たんだろう。
それにしても、
「体じゃなくて首だよね」
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