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「うぅ……」
飛び跳ねそのままペタンと地面に尻餅をつく。
「大丈夫?」
驚かそうとした相手は首を傾げながら体をひねりマリーのほうを見る。
逆に驚かされ、最悪なことに変な悲鳴まであげてしまったことに恥ずかしさがこみ上げ、恨めしそうに睨みつけながら唇を噛んだ。
ギースは困ったようにわたわたとしだす。
「え?僕、何かした?」
「何かした?……じゃないわよ!!
大いに何かしたじゃない!!
急に振り向いて、マリーの頭に何か置いて……って、あれ?」
それはもう自分でも分かるぐらい機関銃のように早口でまくしたて、途中であることに気づいた。
そうよ。
ギースが急に振り返ってマリーの頭に何かおいたから驚いたのよ。
頭に手を伸ばし、頭にのっているモノに触れれば柔らかな感触。
「わぁ、可愛い」
それをそっと掴んで頭からおろせばその正体がハッキリとした。
自然と言葉が漏れる。
マリーの頭にのっていたのは、色とりどりの花で作られた可愛い花冠。
赤 青 黄 白 紫 橙 桃 ……。
いろんな色の花がある。
その花冠のあまりの可愛いさにギースに対しての理不尽な怒りはきれいさっぱり消えて無くなった。
いろんな角度からその花冠を眺めれば、あまりの可愛いさに自然と顔が綻ぶ。
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