6427人が本棚に入れています
本棚に追加
「それ、マリーにプレゼント」
「いいの!?」
顔を上げれば穏やかに笑うギースがいた。
プレゼントと言ってるけど、本当に貰ってもいいのかしら?
こんな素敵で可愛い花冠。
マリーなんかが貰っていいのかしら。
「マリーの為に作ったんだから、貰って?それとも……気に入らなかった?」
「そんなこと!!ありがたく頂くわ!!」
気に入らないだなんてとんでもない。
こんな可愛い花冠、気に入らないはずがない。
しかもマリーの為にって……。
嬉しくて嬉しくて心がほわりと暖かくなる。
飽きもせずにいろんな角度から花冠を見ていれば大きな手が伸びてきた。
パサリ。
その大きな手は花冠をマリーの手から取ると、再びマリーの頭におく。
「似合ってるよ。マリーは花がよく似合う」
「ぶっ」
褒め言葉なのかしら!?
突然全身がこそばゆくなる言葉を言うもんだから吹き出してしまったわ。
でもそれが嫌だとは思わなかった。
正直、嬉しい。
こそばゆくて、照れながら笑った。
この花冠、大事にしよう。
枯れることは分かっている。
枯れてもずっとずっと大事にしよう。
マリーの宝物。
最初のコメントを投稿しよう!