蘇ったものは……

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ここに来た時にくぐった同じ門が、今私達の目の前にはある。 ゴウルの屋敷のホールに出現したそれをくぐれば、その先はリーアンの故郷があるらしい。 「マリーったら~、泣かないの~」 最後の別れでもないのに、会おうと思えば会えるのに、私はボロボロと涙を零しながらリーアンの手を握り締めていた。 「こ……これは汗よぅ……」 間抜けな言い訳にリーアンは声をあげて笑い、私の頭を優しく撫でてくれる。 姉妹のいない私には不思議な感じだけど、お姉さんってきっとこんな感じなんだろうな、って思った。 リーアンは私より年上で優しくて暖かくて、頼りになるお姉さん。 そう思っていいかしら? 「じゃあそろそろ行くね~。姉さんと二人で遊びに行くから~」 「絶対来てよ!!絶対遊びに来てよ!!」 「約束するわよ~。またアガミも一緒に語るわよ~」 「楽しみにしてるから」 口約束。 けれど、私達は友達だから、離れていてもずっと一緒。 「開けるよ」 ゴウルが言うと、ガゴンと低い音がして、重々しい扉がゆっくりと開いた。 開いた隙間から洩れるのは眩いばかりの光。 地上の太陽の光だ。 「いろいろごめんね。ありがとう。お姉さんと幸せにね」 「マリーこそ~。ギースと幸せになるのよ~」 赤面しそうになることを言いながら、お姉さんとしっかりと手を繋いだリーアンは扉をくぐる。 眩い光に包まれて、二人の姿は薄れていった。 そして扉が閉まる最後 「目に映るものに騙されないで、ギースの言葉を信じるのよ~」 と確かに聞いた言葉は、今は理解できなかった。
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