‐Schwartz glance‐

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爆撃=通信士がもたらそうとした答え。 愕然とモニターを見つめる艦長――真横に配置されたギガベースが、今まさに次なる砲撃を敢行しようとした刹那、特大の弾丸が装填された砲台へと、小さな榴弾が直撃/弾丸もろとも炸裂=ギガベースを砲台から吹き飛ばした。 「距離14200mからの狙撃!!」 さらに衝撃/驚愕――『榴弾による超・超長距離狙撃』 情報では敵ネクストは高機動仕様であり、遠距離戦に特化したアセンブリでなければ到底狙える筈もない距離を、VOBによる時速2000km強の速度で飛ぶ最中での超・超長距離狙撃など――最早化け物としか言いようのないレベルではないか。 「目標、残り五秒でギガベース隊地点に到達! ――艦長?指示をお願いします!」 入電を受けた副艦長が、立ち尽くす艦長に向けて叫んだ時――全ては終わっていた。 「……もう遅い」 嫌にすっきりとした口調――瞬間、桜色の奔流が何もかもを飲み込んだ。 【VOB使用限界。起爆ボルト起動、ジョイントロック解除、パージします。 衝撃に留意して下さい】 「了解した。見失うな」 【はい!】 短い言葉のやり取り――上部が完全に蒸発したギガベースを尻目に、巨大『過ぎる』目標に向け、背部カバーを開く/OB(オーバード・ブースト)を起動し、再び音速の世界へと身を投じた。
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