‐Schwartz glance‐

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右腕に装着されたレーザーブレードを『操作』――本来レーザーブレードと呼ばれる代物は、低出力のレーザーを瞬間的に断続展開する事でブレードとしての形状を形成するものである。 が、その低出力レーザーの出力を意図的に増大させ、断続展開を困難にする事によって不安定となったそれを、『振る』という行為によって『前方へ飛ばす』という指向性を与える事で――俗に言う『光波ブレード』を放つ。 振り切られた右腕から勃発する桜色の奔流――海水を巻き上げ、突如として艦上に姿を現した漆黒が繰り出した一閃は、過たずグレネードキャノンへ直撃=大艦主義の名に恥じぬ巨大な火球/衝撃が、ギガントマキア全体を震撼させる。 【な、何だぁ?!】 【おお、こりゃどえりゃ花火じゃのう!!】 驚愕/歓喜――各所で戦う僚機の通信。 【……ふん。まぁ、この状況ならば歓迎してやるとしようか】 不機嫌な声音――その中には少なからず安堵の色も含まれていた。 実質四対大多数――弾薬補給の隙を付いたとはいえ、圧倒的な火力の前において、いかにネクストといえども、戦況はやや劣勢にあった。
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