プロローグ

2/8
前へ
/44ページ
次へ
 開け放たれた  南向きの大きな窓…  五月の陽射しは  哀しいほど爽やかに…  窓から見える  大きなケヤキの柔らかな  新緑を輝かせていた。  女はただそこに佇み…  目の前に起きた現実を  受け止めようと必死だった。  ガランとした  部屋の真ん中に…  ポツンと置かれた  空のショートホープ。  吸い殻は  半分程で消えていた…  彼の匂いのする物は…  それ以外、  跡形もなく消えている。  
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加