prologue2

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「日本銀行の発表によると、昨年度のインフレ率は35%を超えたし、厚生労働省の最新の統計によると、失業率は8%を超えた。日本の失業率の計算は特別で、欧州などの基準で計算し直すと15%を超えるという見方さえある。 日本の悲観的なエコノミストは、政府はもう経済の崩壊を押し止められないと言っているが、あながち間違いではないようだ。」 慎重に言葉を選びながら、誰でも知っている事だけをパク・ヨンスは話した。 チャン・ジンミョンは真剣な顔で聞いていた。 いったいどういう用事でこんな時間に訪ねて来たのか、まだ説明しようとしない。だがこれは何かのテストなのかもしれないとパク・ヨンスは思った。 こういった問答の後で本題が切り出されるのかもしれない。 「パク同志、それでは日本と中国の関係は今後どうなっていくとお考えなのか、ご教授願えないだろうか」 これが本題なのだろうかとパク・ヨンスは身構えた。 今ほどこの話題に対して、将軍同志が目を光らせている時期はない。 「チャン同志。私の研究や調査は、たとえ旧友で、内閣府の重鎮である同志に対しても、中国の話をするのは考えものだよ。言っている意味は、理解していただけるとおもうのだが。そんなに軽々と口に出来ない事が多いのでね。」 パク・ヨンスがそう言うと、チャン・ジンミョンは満足そうに深く頷いた。
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