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パク・ヨンスは周囲のことを忘れて映画に見入ってしまった。
実に興味深い映画だったからだ。
だが、決死隊が行動を起こす少し前に決死隊の1人が、カフェのウエイトレスに恋をしてしまい、捕虜となってアメリカ側に寝返り、反乱部隊は鎮圧され、全員が殺されてしまう。
映画の最後に、ヒトラーが笑いながら側近達に言う。
面白い作戦だったんだが、惜しかったな。
エンドロールが始まると、映写室の灯りが点いて、フィルムが巻き取られ始めた。
明るくなった映写室を改めて見回すと、共和国が抱えるエリート中のエリートであり、革命派の代表で、しかも反米保守強硬派の圧力に耐え抜いた者ばかりであった。
「反乱軍であって反乱軍ではなく、反乱軍ではないが反乱軍でもある。そういった部隊を海外のある都市に送り込むという作戦計画が、組織指導部において認められました。」
説明員がスクリーンの前でそういった事を話しだした。
誰かがマッチを擦る音が聞こえる。
海外のある都市、それは間違いなく日本の都市だ。
パク・ヨンスはそう確信した。
その確信はパク・ヨンスに不思議な高揚と当惑をもたらした。
すべての破壊工作計画は名目上は党中央委員会の承認を必要とするが、実際問題としてはそういった正規の手続きは省略される。
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