prologue2

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破壊工作に関わる部署はそれぞれ独自の部隊と資金を持っているからだ。 また、陰謀は、系統的に承認されるのを本来的に嫌う。それはどこの国でも同じだ。国会や内閣が陰謀の是非や正統性を論議し、承認を与えるような国会など存在しない。 陰謀は秘密を好み公開を嫌うからだ。 陰謀には常に秘密が漏れるリスクがあるから、陰謀にピラミッド型の指揮系統はないし、命令がトップダウンで下りてくる事もない。 ただし、陰謀には横断的な複数の組織の協力が不可欠だ。 たとえばケネディ暗殺には、当時の政府保守派と国防総省と軍と退役軍人とCIAとFBIなどの1部と極右グループとマフィアと亡命キューバ人と地方警察と海外の傭兵グループが関わったと言われている。 つまり統一された組織や指揮系統は存在しなかった。それぞれのグループは自分たちに課せられたことだけをやり、他のグループのことには関心を寄せない。 「パク先生。日本語を完全に理解する特殊戦部隊員は何名程いますか?」 説明員が聞いた。パク・ヨンスはしばらく考えて、完璧に理解するとはどういう意味かと、次のように問い直した。 「日本人と同じように喋るという意味だったら、総連の同胞をこれから養成しない限りむりです。コマンドは、秘密潜入するのですか?」
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