prologue2

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橋頭堡は砂袋ではなく日本人によって築かれるのです、と説明員が言って、どの都市だ、とリ・ドンホが質問し、おそらくここでしょう、と説明員が九州の突端の都市を指で示した。 「福岡だ」 4個中隊は日本人居住区に橋頭堡を築き、本隊の到着まで制圧する。 12万という数字を聞いて地図の周りからはどよめきが起こり、興奮した面々は煙草に火を付けた。 侵攻したのが反乱軍ならアメリカ軍も南朝鮮も共和国を攻撃しない、と言って、関心したように何度も頷いた。 共和国はこれは正規軍による軍事作戦ではなく人民軍内の反乱軍によるテロだという声明を出すだろう。 南朝鮮もアメリカ軍も共和国を攻撃できない。もとより日本は憲法によって専守防衛を謳っているので自衛隊による共和国への攻撃は有り得ない。間違って平壌が行動されたら、半島は戦闘状態に陥り30分後にはソウルが火の海になる。 南朝鮮もアメリカも、さらに中国もロシアもそんなことは望まない。 これは完璧な陰謀ではないかとパク・ヨンスは興奮を抑えきれなかった。 南朝鮮の同胞が傷つく事もないし、国土が荒れる事もない。 戦場は海の向こうにある。 人々の血がながれ、街が破壊されるのは、かつて祖国を統治し、数え切れない民を強制連行し、祖国が分断する原因を作った鬼の国日本だ。 また後ほど説明申し上げますが、そのフェイズによって、作戦を区切り、指揮官を置き、臨時司令部を置き、最終的に12万の軍団が博多港に入った時点で、作戦は終了です。 重要なのは、共和国が九州を侵略するのではないということです。
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