prologue1

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今林田が居る公園にはもう一年半も居ることになる。 この公園は広大な草地も有していて、それは、サッカーグラウンドが優に三面は取れる程の大きさである。 草地の隅にはアスレチックがあったが、ホームレスが住み着いてからはもう残骸しか残ってはいない。 アスレチックス用の木材やロープはすべて、ホームレス達の住居となったからだ。 林田は、ひとまずこの先にある、NPOのテントに行く事にした。 遊歩道には丸太と呼ばれるホームレス達を避けて歩く。 寝袋がなく、テントやバラックにも入れず、地面の上に段ボールや新聞紙を敷いて横になってる人達 の事を丸太と呼んでいる。 この公園には外国人と日本人のマフィアが仕切るNPOが入っていて、まず外部から襲われることがない。 マーケットも入っている。 他の公園や路上に住むホームレスは苛立った若者達の攻撃対象となってしまうからである。 この公園のNPOはすべて暴力団やマフィアが関係している。 当初のNPOはホームレスの健康診断や就業支援を行うマトモな組織だったが、公園が巨大になって、警察も入ってこなくなると、怪しげな連中が出入りして、利権を漁るようになった。 簡易トイレの壁にはおびただしい数の落書きがしてあり、その中にテロリストという文字が目に入った。 サインペンで丁寧に書かれた詩の内容は
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