prologue1

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林田は 「おめぇは誰とも口をきかなかったそうじゃねぇか。なんで俺にはそんなにできるんだ。」 林田がそうきくと、あなたはエイリアンみたいな顔をしているので安心するんです。とニシダは答えた。 ニシダは世田谷に学者の父親と翻訳家の母親とチェリストを目指す妹と住んでいた。 ニシダは小さい頃から毒を持つ生物が好きで、小遣いを貯めてネットでカエルやクモやサソリを買って飼い始めた。 中学三年の時にはムカデやヤスデを飼育するようになり、学校に持って行って同級生の右半身を麻痺させてしまった。 警察に捕まる前にニシダは家で両親と妹を殺そうとした。 出来がいい妹だけを両親は可愛がり、三人が自分をバカにしていると思っていたそうだ。 施設から出てきたニシダは行くところがなかった。 保護司がついていたが、ムカデを怖がって近づこうともしなかった。 もともとニシダは様々な毒物に通じていたが、施設内で生化学と薬学を学び、恐るべき知識を身につけていた。 あいつらバカですよ。 ニシダは林田にいった。施設では毒物の本はもちろん読めなかったけど、薬学っていうのは毒物学と表裏で全く同じものなんです。 あいつらそんなことも知らないんです。
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