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「俺の妻になる人の手料理が食べて見たかったのさ」
パールは北村が何を言っているか全く理解出来なかった。
「素晴らしい腕前だったよ。ハンバーグ、サラダ、あ…デザートはまだか…後で持って来てね」
「あの…」
「何処で磨いたのかな?この料理の腕」
「あの!」
パールは思わず強い口調で反論してしまった。
「妻になる人ってどういう意味ですか?」
「どうって…そのままの意味だよ?」
「私が貴方の妻になるんですか?」
「そうだよ…」
「何故ですか?全然話しが見えないんですけど!」
「まぁ細かい話しはいずれ改めてさせて貰うよ。今日は視察に託(かこつ)けて君に会い来たんだ」
北村はパールをじっと見据えている。
大金持ちでイケメンからプロポーズされたら、普通の女性ならイチコロなのだろうが、パールの心の中には総治がいる。今目の前にいる男は、パールにとっては只の変な人でしかなかった。
「じゃあデザートお持ちしますので…」
パールはブスッとした表情で席を立った。
「パール君!ちょっと来なさい!」
厨房に入りかけたパールの腕を店長が掴んだ。
「何をやってるんだ君は!うちの店を潰す気か!北村様と何を話してたんだい?」
「あの…店長…」
「ん?どうした?」
「何か変なんです…あの人」
「へ…変て…何が?」
「君は俺の妻になる人だとか言うんですよ?」
(ぶふふぅ!)←店長&三村
「そ…それって…プ…プ…」
「どういうつもりか知りませんけど、私あの人の妻になるつもりありませんから!」
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