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「そんなに怖い人じゃなさそうだけど…」
「そりゃそうさ…何てったって超大金持ちだからね。金持ち喧嘩せずだよ…」
北村は店長室で暫く話した後、入口の空いている席へ座った。今は昼時、他にも客はいる。自分も客の一人である事を意識しての事だった。
「では宜しくお願いします」
「畏まりました。少々お待ち下さい」
店長は北村に一礼すると、女性従業員の控室へ小走りに走ってきた。
「パール君、ちょっと来なさい」
「あ、はい…」
店長は何を考えたのか、パール一人だけ調理室へ連れて行った。
「北村様が、君にこれを作って欲しいそうだ!」
店長はそう言って、一枚のメモをパールに渡した。
「え?私がこれを作るんですか?」
「そう、しかも必ず君一人で作るようにとの指示だ。北村様が何故君の事を知ってるかとか、細かい事は後でゆっくり聞くから、とにかく今はこのメニューを落ち度無く作るんだよ?いいね!」
「は…はい…」
「君達も絶対手を貸すなよ!下手したら全員のクビが飛ぶからな?」
店長の指示に、調理師達は全員無言で頷いた。
「では頼む。北村様は料理が出来るまでいつまでも待つとおっしゃってるから落ち着いてやるんだよ」
「分かりました…頑張ります」
そこに書いてあったメニューは
〓北村の注文メニュー〓
・和風ハンバーグ定食
(ライス、ハンバーグ、人参グラッセ、ブロッコリー、ポテト)
・ツナオニオンサラダM
・コンソメスープM
・バニラアイスM
「どれもお姉ちゃんと作った事あるメニューだわ…良かった、知らない料理じゃなくて」
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