僕と君と。

3/4
前へ
/15ページ
次へ
 だが、普通ならば忘れ去られる事は無いに等しいだろう。  親しい友人が死に、忘れる友達がいるだろうか?親族が、恋人が死んで簡単に忘れる事が出来るだろうか?  僕の答えはNOだ。  だって、身近に居た人が覚えていてくれる限り、忘れ去られ――あ。  一つだけ、忘れられる事がある。  それは、故人を覚えて居る人が死ぬ事だ。  例えば、僕が今死ぬとしよう。そうすると、彼女と親、親しい友人達は覚えて居てくれるだろう。  でもその人が全員死んでしまったら?  それこそ彼女の言っている、「人が消えて無くなる時」なんだろう。  僕の横顔を見ていたのだろうか?  笑いながら君は頭を撫でてくれた。 「大丈夫だよ、君が死んでしまっても、私は忘れない。末代まで語り継いであげるわ」 「僕が何を考えていたのか、お見通しなんだね」  苦笑いしながら、頭を撫でられている僕。  その心地良さにゆっくりと瞼が下がってきた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加