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だが、普通ならば忘れ去られる事は無いに等しいだろう。
親しい友人が死に、忘れる友達がいるだろうか?親族が、恋人が死んで簡単に忘れる事が出来るだろうか?
僕の答えはNOだ。
だって、身近に居た人が覚えていてくれる限り、忘れ去られ――あ。
一つだけ、忘れられる事がある。
それは、故人を覚えて居る人が死ぬ事だ。
例えば、僕が今死ぬとしよう。そうすると、彼女と親、親しい友人達は覚えて居てくれるだろう。
でもその人が全員死んでしまったら?
それこそ彼女の言っている、「人が消えて無くなる時」なんだろう。
僕の横顔を見ていたのだろうか?
笑いながら君は頭を撫でてくれた。
「大丈夫だよ、君が死んでしまっても、私は忘れない。末代まで語り継いであげるわ」
「僕が何を考えていたのか、お見通しなんだね」
苦笑いしながら、頭を撫でられている僕。
その心地良さにゆっくりと瞼が下がってきた。
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