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あの河原でのやり取りから、数年が過ぎた。
僕と彼女は喧嘩を繰り返しながらも、仲睦まじく二人で時間を共有していた。
でも神様は残酷で、幸せな時間は終わりの鐘を鳴らされてしまったんだ。
雪の降るクリスマスの事。
僕と彼女はクリスマスという事もあり、二人で何処かに出掛けようとしていた。
イルミネーションに彩られた街の中で、吐く息を白く染めながら僕は君を待っていた。
まだかな?あの人かな?
ああ、違った。残念……。
人を待ってる時は嫌いじゃない。
長く待たされたら不安にもなるが、会えた時の喜びが大きくなるから。
そう、会えた時は。
待ち合わせの時間から30分ぐらい過ぎた頃、僕の携帯電話が着信を知らせるメロディーを奏でた。
相手は君の母親。
携帯電話の画面を見て、少し嫌な予感が僕の頭を過ぎった。
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