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「く…苦しいって何よ。よくわからないよ。ねえ、くわしく言って?あたしは、セイちゃんに喜んでもらうためにやったんだよ?辛いおもいをさせるためにやったんじゃない」
どうして。
なんで辛いの?
ねえなんで。
何も言ってくれないセイちゃん。
「何か言ってよ」
沈黙。
「何か言ってよ!」
セイちゃんはふるふると首を振った。自分の髪を抜け落ちそうなくらい力強くつかんでいる。
「黙ってちゃわかんないんだよ!何か言ってよ!?なんで辛いの!?ねえなんで?」
私はセイちゃんの胸ぐらをつかんで、強く何度もひっぱった。
その度セイちゃんは、力なく揺れる。
力なく。
「わからない」
そう答えた。
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