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よろよろ。
痛々しい姿で生まれたての子馬のように立ち上がっていた、計ちゃん。
「くひぃ」
おぼつかない足で、立ち上がろうとする。そして。
「ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」
思いっきり背中を反り、どうしようもない私たちを嘲笑うように高らかに笑った。
そして、急に泣き出した。
耳を塞ぎたくなるほどの号泣。
「原田~原田ごめんねええええええええええ本当にごめんねええええごめんねええええええええええ」
狂ってしまったの?
「原田ああああああ毎日、毎日こんなめにあってたんだねええええひどいよねえひどいよねえ」
「ひどいよねえひどいよねええ助けてあげられなくてごめんねええ本当にごめんねええええええ」
ぴたり。泣き声が止まる。
ぐるんと正面に向き直る。
私たちの目をまっすぐ見る。
「いまたすけてあげるから」
ロボットみたいにそう言った計ちゃん。背筋が凍りついた。
「ぶっ。くく。くっはははははははは、くはははははははははははははははははははははははははははははははは」
再び指を加えて笑い始める計ちゃん。頬には大量の涙が伝っている。
私は今でも後悔している。
このとき、この女を殺しておくべきだったと。
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