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「それにしてもお前ハマりすぎ。どうすんのこれから」
「どうするって、何が?」
何がって。
鈴原はかなりヤバい状態だ。こうしている今だって、視点があっていない。
「まあいいや。てかずっと家の前いたの!?携帯に連絡してくれりゃあ良かったのに」
鈴原は一瞬首を傾げてから言った。
「そっかーメガネ買ってもらうより携帯買ってもらうんだった」
あ、そうかこいつ携帯無かったんだ。
「つーか浜野も、おせえんだよ。お店屋さんは家から動いちゃだめじゃん。どんだけ待ったと思ってんの?超さみぃ」
目線を地面に落としながらも笑っている鈴原。こいつは常に笑っている。イっちゃってるから仕方ないのか……。
「どう考えてもこのご時世に携帯持ってないお前が悪いよ」
鈴原は手を擦りあわせ、「そっかぁ」と言った。
……こいつと話してても会話してる感じがしない。
俺は呆れながら言った。
「つーかもう寒いから家入るわ。お前もさっさと帰れよ!じゃー!」
俺が背を向けて家のドアを開けようとした時だった。
「待って浜野くん」
鈴原が俺を呼び止めた。
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