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私は立ち上がってお兄さんたちの肩に手をやった。
「ね~違うとこ行こう。ここうるさい人がいるからぁ~」
私はヒクヒク言いながら浜野くんを指差した。
「はぁ……?お前何いってんの?ヤられて終わるよ?」
私はニコリと笑った。
「上等だよバァカ」
浜野くんは唖然としていた。はは、さすがにもう私に好意は無くなったでしょ?
早く、その女とどっかに行っちゃえ。
「さ、行こうみんな」
私は男たちを歩くように促した。
「待てよ宮田」
浜野くんは私を追いかけようとしたが再び女の子にまとわりつかれて足止めされた。
「ね~行かないでよ栄太。一緒に飲もうよ~」
「あーごめん。飲みたいのはヤマヤマなんだけどね」
苦笑いして女の子と話す浜野くん。
パキッと断ることはしないで、誤魔化しながら、傷つけないように去りたい思いが伝わってくる。
―そんなことしている間に、私はもう人混みの中だよ。
遠目でそんな彼を見ながら思う。
……一番、人を傷つけるタイプの人だな。
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