迷子と森の妖精

2/12
前へ
/365ページ
次へ
暗闇の中、魔獣の声や風に揺られ聴こえる草葉の音。 その中を場に合わない音? 声を出している少年がいる。 『何時になったら道に出んだよ、右見ても木、左見ても木、マジだりぃ~。 人もいねぇ~し、道を聞きたくても何にも出来ねぇ~な。』 少年の言う通り、ただでさえこの場所はニルバの森の中、時間帯も既に23時位だろう。 こんな時間帯に森に入る奴は、同じく遭難者か自殺希望者か戦闘異常者くらいだろ、普通に考えれば、今の場所で焚き火をして朝まで待つのがセオリーである。 そんな常識を少年が持ち合わせいるかどうかは解らないが…………。 『やべ~な…腹減ったし、先ずは飯を優先だな! さてさて、此処にございますのは、先ほど倒した大熊のお肉に、アルカの村で購入した野菜が数種類、さ~てさて、もぅお分かりの方もいるでしょう? 正解は魔獣グラッセの熊鍋えぇ~!! ……………。 うっ…うっ…頭が痛い奴見たいだぜ…。 ま~良いか!』 暗い森の中で、少年1人で騒いでいる光景は痛い奴である。 もし、この場所を誰かに見られいたなら間違いなく何もなかったように振る舞っていただろう。
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2447人が本棚に入れています
本棚に追加