5月 初夏の眼差し

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只今17時02分。 駅には俺と藍さんと、駅員含め4人しかいなかった。こういう日もあるのだな。 その静寂を切り裂くように、藍さんはこう言った。 藍「今日はありがとう、助かったよ」 将吾「いえ、お役に立ててなによりです」 藍「ちょっとだけ、お礼」 そう言うと彼女の唇が俺の左頬に軽く触れた。 藍「…」 将吾「…」 藍「…やっぱり子供ね」 将吾「はい?」 藍「あはは、赤くなってる!」 将吾「…」 今日はいろいろあって疲れた。
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