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一台の軽自動車が、少し荒れた細い一本道のアスファルトの上を走っていた。
『なぁ崇史……。
本当にこの道で合ってるのか?』
助手席に座る智也が、運転席でハンドルを握る崇史に少しダルそうに尋ねた。
『ネットで一応地図も見たし、旅館のある村への道は一本しかないんだから間違いないさ』
智也は崇史が少し自信がなさそうに言ったのを聞くと溜め息をついて視線を前に動かした。
しばらく走っていると辺り一面に濃い霧が立ち込め始めたため、崇史はスイッチをいじってフロントバンパーに付いた大型フォグランプとヘッドライトをつけて、辺りを照らした。
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