…ようこそ駕篭村へ…

3/16
前へ
/230ページ
次へ
『霧…濃いな……』 ハンドルを握る崇史は、少し車の速度を落としてゆっくりと車を前へと進めた。 『何だか不気味な場所ね……』 後部座席に美帆と一緒に座っている知奈美が、いつになく弱々しい口調で言った。 ウィンドーから不安そうに外の景色を見ていた美帆は、ふと自分の右手に圧力を感じた。 見ると右隣にいる知奈美が俯いて美帆の手を握っていたのだ。 知奈美の表情には恐怖の色が浮かんでおり、今にも泣き出しそうである。 『知奈美……大丈夫?』 美帆は怯える知奈美の背中をさすってあげた。image=285307365.jpg
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!

375人が本棚に入れています
本棚に追加