師匠の昔

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で、その体験から色々視るようになったそうだ。 この頃の事を師匠はあまり話したがらない。 ただ言葉少なに 『辛かった』とだけ語る 師匠の特性として肝心な所で言葉を節約する。というのがあるが 『辛かった』と寂しそうに呟く老人にそれ以上は聞けない 『辛すぎて耐えられなかったから上に力を消してくれと頼んだんだ』 その結果上が視てあげて欲しいと連れてきた人物だけ視る事にしたそうだ でも6割は断るらしい 『俺は嫌なモノは嫌なんだ』 そうですね。嫌なモノは理屈じゃ無いですからね この頃は師匠をただの変わり者だと思ってた 師匠の隠された遣り切れない哀しみに気が付けなかった
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